オダサガの
改札を出て階段を下りると、そこに金髪美女が待っている。チラシを配っている。
だが、ハリーはもらえない。見事にスルーされる。
うれしいようなかなしいような。何故だか複雑な気分である。
みなさんはどうですか。風俗系のチラシをもらえますか*1。
なんだこのコラム(?)は。
なんなんだ。
その昔、新宿区大久保*2住んでいたハリー。そういう彼女たちに、勝手な名前をつけて歩くのがすきだ。よく深夜のフッカー・ストリートを歩いた。
あれは、ペギー・スー。あれは、ミス・リンダ。
二人組のコロンビア人に、カツアゲされそうになったことがある。
たどたどしい英語でコミュニケーションをとるうちに、彼らの気合が抜けたらしく「アブナイカラハヨカエリナサイヨ」と身を案じられた。
そんなやさしいハリス&ルロイ。
夜、新宿で遊んでから家に帰るときは、たいがいフッカー・ストリートを抜けて帰った。いつもおんなじ場所、タバコ自動販売機のそばにハリスがいて*3、たまに目があって笑った。
「コーラを購入したいので100円貸ほど融資してほしい」との申し出*4があったので、一緒にコーラを飲んだことがあった。
「アブナイカラハヨカエリナサイヨ」と手を振って別れた。
それがハリスを見た最後。
今は国に帰り、コーヒー農場を手に入れて、幸せに暮らしているのさ。
ハリーは知っているぜ。
汚らしい世界というのはほんとうは美しいものだよ。たぶんこれ以上ないくらいに。