ソウル・ビューティホー

昔、俺はとある女子と同棲していた。5年間ほどの間、相手の家族と一緒に暮らした。
相手の家族ことを、俺は愛している。
父親は、豪快で、わがままで、お人よしで、奇跡的なほど欲の無い人だ。
一目見ると、モンゴルの騎馬民族を思い出す。一重で小さい目。透き通った瞳。笑い皺。
黄色い肌。自由で高らかに、美しい魂。
俺とお前は親子じゃないけど、これからは友達だ。
最後に会った時、俺に言った。

モンゴル人は、馬を殺さない。
例え足が折れても。年老い、遊牧の役に立たなくなっても。最後まで看取る。
彼らは馬を愛しているから。馬は家畜ではなく彼らの家族なのだから。

今は大きな体を病院のベットに横たえ、体に何本も管を挿され。目を開けよ
うとしない。初めてほほに触れる。自由な魂は眠っている。
それとも何処かへ旅立ってしまったのだろうか。
もし二度と目覚めないとしても、それでも俺は、彼を愛している。